『軟らかい食べ物がどうして顎の発達によくないの?舌の視点からのお話』

かみ合わせ

みなさんこんにちは!

小児歯科医のヤスです👨‍⚕️

「軟らかいものを食べているから顎の発達が悪い」ということは、みなさんも言われたことや、聞いたことはあるのではないかなと思います

結論から述べると、YESです。

その理由はいろんな関わりがあるのですが、今回は舌の関わりからお伝えしようと思います。

普段のご飯のちょっとした工夫で噛む回数をアップさせることができるので、それらも紹介したいと思います!

是非最後まで読んでみてください😊

現代の子に多い歯並び

まずこちらをご覧ください。

うん、綺麗に生えているように見えるけど?

では、この子が永久歯が生えてくるとどうなるか。こちらをご覧ください

前歯がなんか窮屈でスペースが足りてないわね!

そうなんです、実はこの2枚は同じ子。乳歯の時は隙間があるぐらいではないと永久歯がきちんと生えてこないんですね。

上のような隙間が多い方が乳歯の時はいい歯並びなんですね。

最近では前歯が重なって生えてくる子が本当に多いです。

私も幼稚園と小学校の園医、校医をさせていただいており、毎年合わせて1000人弱のこども達の検診をさせていただくのですが、

不正咬合の割合はざっと7~8割ほど!

5人に4人は不正咬合というデータもあります。

その中でも「叢生(そうせい)」と言って、歯と歯が重なっている子が圧倒的に多いんですね。

これはやはり異常なわけです。

他の記事でも書いていますが、歯を受け皿となる顎の成長発育が十分ではないからですね。

先ほどのお口の写真からも、もし十分に顎が前方に成長していれば、歯が生えてくるスペースは十分に確保できます。

この「前方に」というのがポイントです

そして、上顎の前歯が生えるスペースの骨は上顎骨の中の「切歯骨」と言う部分です。

この切歯骨がしっかりと前方に成長してほしいんですね。

そしてこの切歯骨の成長は前歯の永久歯が生えてくる前のだいたい6歳ぐらいにほぼ終了してしまいます。(顎の成長というと切歯骨だけの問題ではありませんが…)

なので、理想的には永久歯が生えてくるまでに十分に発達させる方がいいのです。

逆に言うと、前歯の重なりがある子は6歳まででしっかりと前方に成長ができていない子が多い。

それはなぜでしょうか?

顎がしっかりと育つのに重要なことは?

乳歯の時期にしっかりと顎が成長していると,乳歯の間に隙間ができてきます

そして上下の歯は先っちょで合わさります

ではしっかりと発育するにはどうすればいいと思いますか?

やっぱりたくさん噛むことかしら?

そうです!

やはりここがまず基本なんですね。

そしてもう少し踏み込んでみると,

前歯をしっかり使うことも大事です。

前歯を使う時はどういう食べ物かというと,

噛み切り,引きちぎるような食べ物

ですね。

一番イメージしやすいものはスルメなどでしょうか

あのような硬くてなかなか引きちぎれないような食べ物も顎の発育のためにはすごく重要なんです

そして今回のメインテーマである「舌」ですね。

舌は常にどこにあるのが正解と思いますか?

これはスポットと呼ばれる前歯の裏側

ここにずーっと舌をつけておくことが重要です。

そして舌がグッと力が入るような動きである「飲み込み(嚥下)」ですね

一度みなさん,その場で唾を飲み込んでみてください。

その際に舌を意識!

確かにすごく力が入っているのがわかるわ!

そうなんです。

飲み込む時は舌が大きな役割を果たしており、大きな力がかかって食べたものや飲んだものを食道に送り込みます。

そして、この飲み込む運動は1日にだいたい何回ぐらいやっていると思いますか?

え…考えたことなかったけど…100回ぐらいかしら?

正解は1000~2000回です

そんなにしてるの!?

1日1000回この舌がグッと力が入っているとなると、その方向に成長方向が加わるのは想像できやすいですよね

なので、舌はスポットという位置についておかないといけません。

ここでもう一度飲み込みをやってもらいたいのですが

今度はしっかりと舌をスポットにつけるのを意識して、上下の歯を合わせて、唇を閉じて、そして飲み込んでください

どうでしょう。舌がグッと上顎を前に方向に押す感覚があったのではないでしょうか?

これをしっかりと行なっていると,顎の前方への成長を促すことができます。

飲み込む時の舌のパワーは理解いただけましたでしょうか?

では次に食べ物とこの舌の働きの関連を見ていきましょう!

軟らかい食べ物はどうして顎の発達によくない

飲み込む時の舌のパワーも、食べ物の形状や量によって変わってきます。

例えば、どろどろのスープなどを飲み込む時は、水分が多いので舌を軽く上顎に当てるだけで飲み込むことができます。

しかし、水分量が少なくなればなるほど、舌をしっかりと上に押し付けないと飲み込むことが難しくなります。

なので、全然噛まなくても飲みこめるようなご飯

例えば

コンビニのサンドイッチ

レトルトカレー

素うどん

カップラーメン

アイスクリーム

プリン

などなど

こういうのは舌があまり動く必要なく飲み込めるんですね。(それと同時に噛まなくても良い)

軟らかい食べものは噛む回数が減るだけではなくて、舌がグッと押す力も、押す範囲も少なくなってしまいます。

なので、それだけ上顎は外に押される力が弱まる。

噛まずに飲み込めるもの,水分が多いものばかりになっていないかの注意が必要ということね

その通り!

顎の成長により良いご飯の一工夫

最後によく噛むようになり,舌が運動しやすくなるご飯の一工夫を紹介して終わりたいと思います。

今までのご飯から,少し手間をかけるだけで大きく変わってきますよ!

ポイントは2つです

①より硬くする

②水分を飛ばす

ではサンドイッチを例にみてみましょう!

まず,コンビニで買うサンドイッチはすごく軟らかいですよね

「ふわふわ食感♡」というのを売りにしているところも多いと思います。

しかしそれだけなら、先述したように噛まずに食べれちゃう。

ここで同じサンドイッチでも①の工夫を考えると、

ミミ付きの食パンでサンドイッチを作ってあげる

もしくは硬めのハムを一枚挟んであげる

のはどうでしょうか?

ミミという硬い部分があるおかげで噛む回数はグッと増えますし、

何かより噛めるようなおかずを加えてあげるのも一つです

そしてここから更に②を考えてみましょう!

水分を少なくするには,

トースターで焼く

これだけで,簡単に飲み込めなくなりますよ!

このような一工夫だけでも,こどものお口の機能を鍛えるのに大きく役立ちます。

そして,注意点が一つ。

食事中は飲み物を飲まない習慣も大切です。

お茶やお水で流し込み食べをする子が最近では多い印象です。

流し込み食べをしてしまうと,お母さんのせっかくの工夫も台無し。

噛まなくてもどんどん飲み込めるからですね。

なので,食事中は飲み物を飲まずに最後に飲む。

この習慣をつけてあげてください😄

まとめ

いかがだったでしょうか?

軟らかい食べ物がなぜダメなのか?

それは噛む回数が減るのもそうですが,顎の成長にすごく重要な舌が十分に機能しなくなるんですね。

なので,できるだけ舌がしっかりと動くようになるご飯の工夫をしてあげてください😊

それでは今日はこの辺で!

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