歯並びのゴールって?(矯正のプチ歴史)

かみ合わせ

みなさん、こんにちは!

小児歯科医のヤスです。

最近は子どもさんの矯正の需要が高まってきているなーと肌で感じます!

それは子どもさんのお口に対する、親御さんの関心が高まってきたことの現れではないでしょうか(^^)

しかし、現代社会の環境の変化により不正咬合になりうる要因も、また高まってきているのでは?と、少し危惧しています。

【すごく重要】歯並びをみる4つのポイントhttps://dentalforsmile.com/?p=51

本日はそんな歯並びについて、雑学を交えて、少しお話ししたいと思います!

歯並びのゴールってどういうものなのか?

お子さんの歯並びについて不安や心配をされている方は是非最後まで読んでみてください!

歯並びについて、少し見方が変わってくると思います(^^)

矯正の歴史

みなさん、いきなりですが、世界で歯並びの治療はいつから始まったか、ご存知でしょうか?

文明開化のあった明治時代の頃?

江戸時代のお侍さんの時から?

いやいや、紫式部とかの平安時代からあったんじゃないの?

など、あまりはっきりと想像しにくいと思いますが、

正解は、紀元前1000年

これは日本ではなく、ギリシャやエトルリア(今のイタリア)の出土品から、原始的だけれどもデザインされた矯正装置が発見されています。

そこから矯正学は進歩し、1850年頃には大きく発展しました。

その時の治療の内容はというと、「歯の並び方」「容貌」にフォーカスされていたそうです。

つまり見た目ですね!

なので、「咬合」というかみ合わせに関してはあまり注意をむけられませんでした。

これはその時代にはむし歯が蔓延しており、健全な歯並びが稀な時代だったという、社会背景があったからだそうです。

そこから、かみ合わせの研究がなされ、

「見た目だけではなく、ちゃんと噛めるような良いかみ合わせを目指そうぜ!」

という考えが広まり、ここで、1890年頃から矯正学に大きな影響を与えたAngleさん(アングルさん。エンジェルさんじゃないですよ!)登場します!

偉大な人、Angleさん

今まで、

「見た目がよくなるのが一番!うまく噛めるかどうかは二の次さ!」

という矯正の風潮に、待ったをかけたのが、Angleさんです。

彼は元々、補綴学(被せものや義歯などの学問)出身で、天然の歯の良いかみ合わせをどう獲得していけばいいんだ?と模索して矯正に行き着いたそうです。

そして彼は独自の、「かみ合わせがどう悪いか」の4つの分類を考えつきます。

それは上の第一大臼歯(前から6番目の歯)がかみ合わせの鍵であるとし、上下の第一大臼歯どうしの関係で良いかみ合わせかどうかを判断できるものです

いろいろと指摘する部分もありますが、非常にシンプルで、正常なかみ合わせをうまく表したものであり、今でも矯正の診断の際にはよく使われています。

簡単に説明すると、

  • 正常咬合:Goodな歯並び
  • Ⅰ級:上下の大臼歯の関係は正常。だけど、他の部位で問題がある
  • Ⅱ級:出っ歯
  • Ⅲ級:受け口

というイメージです。

もちろんこれは大臼歯(奥歯)だけの評価ですので、それより前にある歯の状態でもいろいろと変わってきます。

このAngleさんの提唱により、今までの「見た目さえよければいいじゃん!」という考えから、「ちゃんと健康に噛める歯並びにしましょう」というように、矯正治療の目的が大きく変わってきたのです。

矯正のゴールは?

では、現在ではどうでしょうか?

社会はどんどん変わっていっているので、Angleさんの時代とはまた少し、考え方が変わってきています。

大きな違いは以下の2点です。

①細かい咬合の特徴よりも、歯並びと容貌の美しさがより重視されるようになってきた

今はどんどん美容整形などの需要が高まり、より綺麗にという意識が高まってきています

②患者さんは昔と比べ、治療計画に大いに関与することができる

昔は医者は患者さんに対して父権的でしたが、今では大きく変わりました。

医師側はインフォームドコンセントの必要性から、治療内容を十分に説明する義務があり、患者側はそれを選択する権利があります。

Proffit(←現代矯正学のすごく偉い人)さんはこう述べています

「現代歯科矯正学の目的は、正しい上下の歯の咬合状態、美しい歯並びと顔立ち、治療後の長期にわたる咬合の安定性、そして歯の修復という要素の間に最良のバランスを創り上げること」

キラーンですね。矯正を行う側のハードルがかなり上がってしまうようなお言葉。笑

昔と比べると、技術も進歩し、社会背景も変わっているので、矯正を行う目的も時代によって変わってきています。

数十年後にはまた価値観が代わり、この一見して完璧にも見える目的も変わってくると思います。

もしかしたら、

「上と下の歯の真ん中を少しずらす方がカッコいいじゃん」

となるかもしれません!

矯正のゴールは人によって変わるのは現代でもあてはまります。

私達、ドクター側が「これが理想のかみ合わせだ!」と思ってやっても、

患者さんにとったら、「もっとこうしてほしいのにな」となれば、どっちが正解になるか。

それは今の社会では、患者さんの決めたゴールが優先されます。

私達の意見はあくまでアドバイスとなり、最終決定は患者さん側にあるのです。

まとめ

どうでしたでしょうか。

みんさんも一度考えてみていただければと思います。

お子さんのどんな歯並びを求めますか?

「とにかく見た目がよければいいから、そこだけ短期間で治して!」

「将来的に安定したかみ合わせになるのであれば、多少真ん中がずれていてもいいです」

「時間がかかっても、見た目も安定もしっかりしてほしい」

など、いろんな意見があると思います。

ですが、私は、これは個人的な意見になりますが、

「成長期のお子さんの成長のポテンシャルがある以上、顎の成長が良い方向に向かうようにしてあげる」

というのは成長期には是非やってあげたいものだと思っております。

またこのことについては記事にさせていただきます(^^)

では今回のまとめです!

  • 歯の矯正は紀元前1000年から始まっていた!
  • 矯正のゴールは時代によって変わってきている
  • Angleさん(「エンジェル」じゃないよ)は偉い人
  • 矯正のゴールは人それぞれ

以上になります!

少しでもお役に立てれば嬉しいです(^^)

またなにか質問があれば、お問い合わせフォーム、もしくはコメントで気軽に連絡をください!

それでは今日はこのへんで!

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