お手本作戦!(子どものプチ心理学)

こどものこころ

みなさん、こんにちは!

小児歯科医のヤスです。

子どもの心理学シリーズということで、今回もお話しさせていただきます。

このシリーズは個人的にも好きな分野で、また今後もピックアップしていくと思うので、是非またお付き合いください(^^)

今回は「モデリング法」というものについてお話ししていきます。

前にも書いたのですが、「子どもの心理学」というのは、大人にも十分に当てはまることが多いものです。

今回のモデリング法もその一つ

「あ〜、あの人みたいになりたいな」

「あの人ならこんな時にどう行動するかな?」

「あ、あの人あんな発表してすごいな、自分も頑張ろう」

などなど

こんなことはみなさんも少しはあるのではないでしょうか?

これが「モデリング法」というもので

特に、子どもにとってはハードルが高い歯科治療ですが、その行動に向かわせるにあたり、このモデリング法はうまく活用すれば有効です!

今回はそのようなところをお話しするので、是非最後まで読んでみてください(^^)

「モデリング法」とは?

「モデリング法」とは

「他人の行動の模倣を通して行動を獲得すること」

と言われます。

これは「観察学習」とも言われます。

読んで字の如く、観察して学習するものですね

子ども達は私達が思っている以上に自分の周りを見て、物事を観察・判断しています

これは動物の危険察知能力の一つではあるのですが、子どもの場合は歯科医院というのがどんなところかを知らない、言わば、安心できない場所に来ているわけです

大人の方でも、いきなり知らない場所に連れていかれて、普段とは違う匂いの中で、聞き慣れないような大きな音がなっていて、見たことがない道具が口の中に入っているのを見ると…

やっぱり不安になりますよね^^;

私たちは歯科医院というのが何をするところなのかをある程度知っている、それが医療であるという前提が頭の中にあるので、受け入れられるのです

しかし、子どもの場合は頭の中は真っさらな状態

そんな状態なので、判断する材料は自分が直接受ける感覚しかないんですね

子どもは自分がこれからどんなことをされるのかというのを自分の目で見て、感じて判断しています

観察学習の中には2つの段階があると言われています

それは、

①観察することにより行動を理解する段階

②理解した行動を実行に移す段階

です。

①は模型を使ったり、使う道具などをしっかりと説明すれば理解してもらうことはそんなにハードルは高くないですね。

問題は①→②の過程です。

②の「自発的に行動に移せるかどうか」が勝負の分かれ道になってきます。

①→②の過程で有効な1つの方法が、「モデルとなる人を実際に見る」ということですね。

兄弟、姉妹がいる子はチャンス!!

もし目の前にいる人のことを尊敬していたり、好意を持っている人であれば、子どもはその人を模倣しようとします

私は小さい時、仮面ライダーが大好きだったようで、

「仮面ライダー、変っ身っ!」

というのを1万回やっていたとかいないとか…笑

歯科治療とは少しずれていますが、これもモデリングの一つです

子どもはすぐに真似したがるんですね

そしてその対象になりやすいのが、お兄ちゃん、お姉ちゃんです。

いつも身近にいる、自分より大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんが目の前で上手に治療を受けられ、その後に周りのみんなからたくさん褒めてもらっている。

時には、何やらご褒美までもらっている!

…僕もあんなふうになりたいな、やってみたいな

という心理になるというわけですね

そして、前回のオペラント条件付けでのポジティブの強化を、モデルとなるお兄ちゃん、お姉ちゃんで、本人の目の前で見せてあげる。

そうすると、その子にもポジティブのスイッチが入りやすく、好循環が生まれやすいのです

これは歯科医院によってスタンスは様々ですので、医院によっては初めから母子分離であったり、兄弟は別々というところもあります。

しかし、モデリング法を活用しようと思うならば、兄弟・姉妹がおられるお子さんは治療に同席されることをお勧めします。

実際に自分がどんなことをされるかを見た後では、いざ自分の番となった時に大きく変わってくると思いますよ!

周りの子を見て学ぶ

え、うちは一人っ子なんですけど…モデリング法したくてもできひんやん…

という方もいらっしゃるでしょう!

そういう時はお母さん、ご自身で見せてあげてください

子どもにとってお母さんもモデルとなる存在です!

お母さんがリラックスして、治療を受けていて、その後先生と呼ばれている人と仲良く話している…この人はいいやつなんだな…信頼していいんだな…

という心理が子どもの中で働いてきます

どうしてもできないという子は、このようにまずはお母さんのそばで見てもらうのが一つのアプローチ方法ですね

そして、もう一つのアプローチ方法が、

隣のチェアーで治療を受けている子どもを見せてあげる

というのもおすすめです。

今は歯科医院は個室タイプをよく見かけますが、小児歯科の医院では個室ではなくオープンスペースで診療しているところが多いです

それは一つにこのモデリング法の効果を狙っている設計です

横を向けばすぐに隣の子がどんなことをされているかが見える

あ、あの子、僕と同じぐらいだけど、上手にできている…

というふうに、全く知らない子でもいいモデルになります

「ほら、隣の子見てみて。上手にできてるでしょ?あの子ができているんだから、上手にできるよ!やってみよう!」

という声かけもできやすいですね(^^)

お母さんの不安度のモデリング

子どもはお母さんのことをすごくよく見ています。

お母さんのちょっとした変化も子どもは敏感に感じとります。

なので、歯科治療に対して、お母さんがすごく不安がっていたりとか、ずっと心配そうな状態であれば、そのままそれをモデルとして捉えてしまうこともあります。

お母さんが不安でしょうがなければ、そのまま子どもの不安に繋がります。

なので、できるだけお母さんはリラックスしていてください。

もしどうしても不安な時は

「ここで待っておくから頑張っておいで」

と、待合室で待っていることもおすすめします。

逆にお母さんが冷静でリラックスできていれば、子どもには良いモデルとして影響するでしょう

是非お母さんも子どもを支援する、おおらかな気持ちで治療を見てあげてください

そして、治療が終わった後に、誰に一番褒められたいかは、ぶっちぎりでお母さんです

治療後はこれでもかというぐらい褒めてあげてください

そうすることで、「オペラント条件付け」のポジティブの反応が起きやすくなります!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「モデリング法」というものについてお話ししました。

これを理解していると、日常生活でも、子どもにとって良いモデルを示してあげて、より自発的な行動ができるように導いてあげることができやすくなると思います

歯ブラシを全然させてくれない子も、お兄ちゃんお姉ちゃん(もしくはパパでもいいと思います!)が先に上手にできる姿を見せてあげると、その後の行動ができやすくなるはずです

そして、兄弟姉妹で一緒にチェアーにいる時に「頑張れー」と兄弟を応援している光景をよく見かけます。

これは本当に心温まる瞬間です。

このような光景を見れるのが小児歯科ならではであり、私自身、すごく幸せな時間です。

なので、このモデリング法は個人的にもすごくお勧めです(^^)

それではまとめです!

  • モデリング法とは観察して学習することの一つ
  • モデルとなりやすいのはお兄ちゃん、お姉ちゃんやお母さんお父さん
  • ポジティブな光景を見せてあげると、自発性が生まれやすい
  • 不安な心もモデリングされる
  • モデリングは感動を生む!笑

以上となります!

少しでもお役に立てれば嬉しいです(^^)

またなにか質問があれば、お問い合わせフォーム、もしくはコメントで気軽に連絡をください!

それでは今日はこのへんで!

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